日韓 草の根交流・第八回顕彰式典(2016年12月12日)

「一般財団法人 高円宮記念日韓交流基金」の
日韓の青少年・草の根交流を顕彰する
第八回顕彰式典が昨年12月12日に、
韓国文化院で行われました。




「高円宮記念日韓交流基金」の第八回顕彰式典が東京・四谷の韓国文化院で行われ、「高円宮賞」4件が授与されました。


 


◆高円宮妃殿下のおことば◆

 

 日本と韓国は隣国として昔から文化や価値観を共有する大切なパートナーであり、ぜひとも将来に向けて変わる事のない信頼と友好の関係を固めてまいりたいと思います。信頼の絆は一朝一夕にして築き上げられるものではありません。しかし、一旦築き上げられた信頼関係はそう簡単に壊されるものでもありません。相互理解には普段からの絶え間ない交流が必要です。共に過ごした記憶は健全な土壌、強固な地盤を作り、そこに築き上げる新たな友好関係こそが両国の未来です。

 またその同じ土壌には皆様方が蒔かれた友情の種が眠っています。その種がいつの日かそれぞれに美しい花を咲かせ、一面に広がる友情の花畑となることを信じて高円宮記念日韓交流基金は光を当て、水をやる地道な活動を続けてまいります。

 高円宮賞を差し上げる4件の事業は修学旅行を機軸とした高校生交流、奉仕精神に基づく教育交流、三味線という日本固有の文化を伝える活動、国際理解を進めるための学校間交流と、いずれも民間交流ならではの純粋で爽やかな草の根活動です。

 これからも地道な草の根活動によって日本と韓国の人々との出会いの場が広がり交流の絆がより強くなっていくことを願うと共に、ご列席の皆様にはさらに多くの方々のご支援が集まりますよう一層のお力添えをお願いして私のお祝いの言葉と致します。



開会の言葉

柳井 俊二 理事長

来賓祝辞

羅 鍾一 名誉顧問
(元・韓国特命全権大使)

来賓祝辞

李 俊揆 韓国特命全権大使

来賓祝辞

安藤 裕康 国際交流基金理事長


◇◇受賞事業◇◇
■修学旅行における韓国の姉妹校との交流(教育・文化・スポーツ)

代表者:相馬 真吾(旭川実業高等学校 校長)

<活動地域(活動年数)>
北海道旭川市/ 韓国ソウル市、慶州市 (36年)

<活動内容>
1981年にソウルの慶福女子商業高校と姉妹校提携してバレーボールの交流を始め、1984年から北海道で始めて韓国への修学旅行を実施している。1996年からは韓国からも修学旅行で旭川に来て交流を続けている。

<選考委員会・推薦者等の評価>
36年間という長期に亘り交流が継続されていることと、その規模の大きさ(生徒数)・多彩な内容は評価に値する。北海道では現在11地域で日韓交流が行われているが、自治体交流に先立ち、自主交流の先鞭をつけた。

<受賞者のひと言>
最初に韓国を訪問した時は、620名の生徒が参加しました。ソウルの慶福女子高校では、全生徒が民族衣装のチマチョゴリを着て、校庭で出迎えてくれました。この時の心温まる歓迎は決して色褪せることはありません。日本側も韓国語で挨拶しましたが、教師よりも生徒の方が上手でした。新たな時代を拓いて行く、逞しい生徒を育てたいと思っています。

■青少年国際交流教育活動に基づいて新たな未来を開くグローバルリーダー育成(教育・文化)

代表者:朴 昌玉 女史(學校法人江西學園 理事長)

<活動地域(活動年数)>
韓国安山市/ 東京、愛媛他 (28年)

<活動内容>
帝京大学Gの高校・中学、徳島文理大学、盛岡中央高校など日本の学校との姉妹校交流をはじめ、日本語教室の開設、留学生の受入・派遣などの教育・文化交流を行うと共に、障害者施設への支援を行う。

<選考委員会・推薦者等の評価>
その福祉精神に根ざした人道支援と、広範囲な教育活動を長期に亘り継続している。一貫した教育信念の下に青少年のグローバル教育を推進し、日韓青少年の未来を先導してきた。 奉仕活動にも関わり、韓国での特殊教育に尽力した。

<受賞者のひと言>
それまで医者として一生懸命働いてきました。1988年のソウルオリンピックの時に、京畿道の市長から安山に高校を作ろうと言う話がありました。世界との交流教育が必要と考えていましたので、喜んで協力しました。学生の考えや希望を取り入れて、日本・米国・中国など、世界と交流できる場を提供し、若い人達の青春のエネルギーとなりました。

■日本を知るためのワークショップ 三味線教室(文化)

代表者:今藤 珠美 女史

<活動地域(活動年数)>
韓国ソウル市 (11 年)

<活動内容>
日本の伝統芸能である三味線を、韓国の青少年に教えている。教室開設後10 年間毎月自費でソウルを訪問して、日本大使館の施設を借りて4クラス40名を指導する。韓国の大学・高校でもワークショップ開催。

<選考委員会・推薦者等の評価>
自費で10年間毎月訪韓し、三味線や着物なども自ら調達・支給し、韓国で日本文化を広めるべく孤軍奮闘してきた。その純粋な気持ちと草の根精神は充分評価に値する。韓国語も独学で身に付け譜面なども作成。

<受賞者のひと言>
4歳から長唄と三味線を習っていましたが、12年前の韓国ドラマとの出会いが始まりです。日本大使館から韓国で三味線を教えないかと言う話があり、1年かけて韓国語を勉強し、教材も自分で作って準備しました。翌年から毎月三丁ずつ三味線を飛行機で運び、6ヶ月かけて20丁を用意しました。60名を越す応募があり、今は10期生が育ちました。

■太宰府西小学校と百済初等学校との姉妹校交流(教育・文化)

代表者:古賀 淳子(大宰府市立大宰府西小学校 校長)

<活動地域(活動年数)>
福岡県/ 韓国 扶余郡 (27 年)

<活動内容>
児童・教師・PTAが1年おきに相互訪問し、ホームテイにより異文化を体験する。太宰府西小学校では「国際理解は人間理解」を学校理念として、1年生の時から韓国語授業を実施し、児童の意 識を高めている。

<選考委員会・推薦者等の評価>
27年間という長期に亘る学校間交流で、小学1年生の時から国際理解教育をしている。お互いに歴史的な土地柄で、それを踏まえて児童相互の有効な交流を企画し、国際社会をたくましく生きる子供の育成に貢献している。

<受賞者のひと言>
学校創立10周年記念として大きな事業を立ち上げたいと言う話があり、韓国との交流を始めました。韓国の百済初等学校と27年間で31回の交流を行いました。毎回500名を越える生徒と教師が交流しました。太宰府西小学校では、1年生の時から韓国語授業を行ない、朝の全校放送を韓国語でも流しています。韓国クラブもあって活動しています。