日韓 草の根交流・第11回顕彰式典(2019年12月18日)

「一般財団法人 高円宮記念日韓交流基金」の
日韓の青少年・草の根交流を顕彰する
第11回顕彰式典が2019年12月18日に、
韓国文化院で行われました。




「高円宮記念日韓交流基金」の第11回顕彰式典が東京・四谷の韓国文化院で行われ、「高円宮賞」4件が授与されました。


 


◆高円宮妃殿下のおことば◆

令和最初の高円宮記念日韓交流基金の顕彰式典にて、皆様とお会いすること、大変うれしく思います。今年も日本では台風や豪雨により多くの被害が発生いたしました。始めに災害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げ、1日も早い復興・復旧を心より願っております。

基金設立10周年を昨年、無事に終えて、この式典も今回で11回目を迎えますが、毎年日本と韓国の青少年草の根交流に携わる方々やそれを支援する企業・団体の皆様が日本と韓国からともに集まって、受賞の喜びを分かち合えることを何より幸せと思います。そうした心温まる交流を長く続けてこられ、今日ここに、高円宮賞を受賞された4件の交流事業の方々に心よりお祝いを申し上げます。またそれを支援してこられた人々のご努力にも感謝いたします。

宮様は国民一人一人がお互いに仲良くなれば、国と国も仲良くなる、共に新しい未来を切り拓くことができるとのお考えをお持ちでいらっしゃいました。日本と韓国は古来より密接な関係にあり、人や文化が海峡を越えて行き来するのが当たり前でした。両国が手を取り合って歩んできた輝かしい歴史があります。どんな困難な状況にあっても、これからもお互いに助け合い、支え合って、未来を作り上げていくことが大事だと思います。真の国際交流とは国や組織単位ではなく、その国や組織を形成する一人ひとりの人間が一歩ずつ進めていくものだと思います。国としての立場がたとえどのようなものであっても、国民同士がまず信頼の絆に結ばれることがもっとも重要と考えます。日本と韓国とは隣国として文化や価値観を共有する大切なパートナーであり、是非とも将来に向けて変わることのない信頼と友好の関係を固めて参りたいと存じます。信頼の絆は一朝一夕にして築き上げられるものではございません。しかし一旦築き上げられた信頼関係は、そう簡単に崩れるものではありません。相互理解には普段からの絶え間ない交流が必要です。特に次代を担う青少年が新たに築き上げる友好関係こそが両国の未来を構築するものです。今こそ、こうした民間交流が重要であり、それぞれの地道な関わりが幾重にも重なり、そして広がり、美しい友情の輪となっていくものと信じて、高円宮記念日韓交流基金はそのような地道な活動を顕彰して参りたいと存じます。

高円宮賞を差し上げる4件の交流事業は、地域と学校、青少年が一体となった教育や文化交流や、一人一人の自立を目指す児童養護施設間の社会福祉事業です。今年は推薦が減るのではないかと心配しておりましたが、昨年を上回る推薦や応募があったようで20年、30年ととても長い期間交流しているものが多かったようです。やはり人と人との信頼関係によって築かれた友情の絆はどんな逆風の中でも途絶えることがないのだと思います。私はこうした交流事業に接するたびに、国籍を超えて、利害を超えて、一つの目的のために邁進されている温かくて、たくましい人々の姿を知ることができます。この先、さらに多くの方々のご支援がこうした活動に集まるよう、ご列席の皆様には一層のお力添えをお願いいたします。これからも、地道な草の根活動によって日本と韓国の人々の出会いの場が広がり、交流の絆がさらに強くなっていくことを願いまして、私の式典に寄せる言葉といたします。



開会の言葉

柳井 俊二 理事長

来賓祝辞

羅 鍾一 名誉顧問
(元・韓国特命全権大使)

来賓祝辞

南 官杓
韓国特命全権大使

来賓祝辞

安藤 裕康
国際交流基金理事長


◇◇受賞事業◇◇
■広島日韓青少年交流事業(教育・文化)

代表者: 公益財団法人 広島青少年文化センター(樽谷 和子 センター長)

<活動地域(活動年数)>
広島県広島市・安芸高田市 / 韓国春川市、ソウル市など(50年)

<活動内容>
1970年から広島青少年文化センターが、ユネスコ江原道協会や釜山協会などと相互に高校生を派遣して交流を続けている。以来50年の長期に亘り、日韓の高校生が文化交流や平和学習、ボランティア活動などを行っている。

<選考委員会・推薦者等の評価>
日韓両国の高校生相互交流事業を50年もの長きに亘り継続しており、日韓の架け橋となる人材を輩出し、豊かな人間性と国際感覚を涵養し、両国の友好とグローバルな人材育成に貢献してきたことを高く評価する。

<受賞者のひと言>
950名ほどの若者が、ホームステイなどの異文化交流を通して、日韓相互の文化と歴史を体験し、相互に学習しながら、国境を超えた友情を育んでいる。自分の眼で見て考える力を身につけさせ、次代を担う社会有用の人材を育成したい。これからも、文化・スポーツなどの交流を通じて、国や政治の壁を超えた民間外交としての国際協調と相互理解を目指していく。

■日韓青少年交流キャンプ(教育・文化・福祉)

代表者: 社会福祉法人 防府海北園(岩城 淳 施設長)

<活動地域(活動年数)>
山口県防府市 / 韓国・慶尚南道(釜山市、金海市など)(24年)

<活動内容>
児童養護施設同士の交流で、1994年にスタートし、一度も途切れることなく、子供達の未来の為に、様々なプログラムを展開している。韓国側は7施設、日本側は3施設が参加して、公共の宿泊施設で一緒に過ごし、生活・文化を体験する。

<選考委員会・推薦者等の評価>
豊かな子供時代の提供だけでなく、世界的な視野で将来に向って育つ青少年の育成に大きな貢献をしている。特に子供達の社会的自立を目指した活動と、地域が一体となった支援活動により、語学力や学習能力の向上も顕著。

<受賞者のひと言>
30年前に、慶南福祉財団の会長と私の父の小さな友情から始まった。子供たちの未来のために負の遺産を残さないとの考えの下にやっている。今では地域の他の施設も参加し、多くの人が助けてくれる。子供たちに安心・安全な生活の場を与えると共に、これからも双方手を携えて、お互いを尊重しあい、しっかりと日韓交流を進めていきたい。

■三豊市立高瀬中学校とソウル特別市汝矣島中学校との国際交流(教育・文化)

代表者: 三豊市立高瀬中学校(長尾 卓也 校長)

<活動地域(活動年数)>
香川県三豊市 / 韓国・ソウル市汝矣島(26年)

<活動内容>
ブラスバンドをきっかけに、ソウル汝矣島の姉妹校と26年間交流を続け、学習のみならずホームステイにより歴史・文化も体験する。韓国の中学生の積極さに触発され、日本の生徒も表現力や情報発信力が増してきている。

<選考委員会・推薦者等の評価>
世界への視野を広げ、異文化理解と国際社会の一員としての認識を醸成し適応力を高めると共に、表現力や地元愛も併せ育成している。学校全体に国際理解教育が浸透しており、まさに地域に定着した活動となっている。

<受賞者のひと言>
「山の中の子に大きな海を見せてやりたい」との思いで韓国との交流を始め、細く長く26年が経過した。汝矣島中学校を訪問した際、生徒たちがK-POPのダンスで歓迎してくれて、その表現力に驚いた。本校の生徒も韓国の学生の姿を見て、自分の感情をストレートに表現することの重要性に気づき、それからは表現力と発信力が培われつつあると感じている。

■新栄校区日韓交流事業(教育・文化)

代表者: 新栄校区韓国交流委員会(和泉 秀浩 副会長(佐賀市立新栄小学校校長))

<活動地域(活動年数)>
佐賀県新栄地区 / 韓国・釜山市(18年)

<活動内容>
佐賀の新栄小学校と釜山の兎峴小学校との学校間交流で、小学生が各家庭に1人でホームステイして国際理解を深める。今年も台風と政治的嵐が吹く中で交流事業を実施し、釜山市の市長や市議からも歓迎された。

<選考委員会・推薦者等の評価>
小学生同士の草の根交流で、様々な障壁を乗り越えて継続している。学校だけでなく家族が地域まで友好精神か広がっている。生徒1人1人が「仲良し宣言」を行い、モノではなく心の中に記念品を残し日韓友好の架け橋となっている。

<受賞者のひと言>
「地域が子供を育てる」ことを念頭に続けてきた。今年の訪韓は「人の心」を改めて学ぶ機会となった。日韓関係が悪化する中、韓国側からの招請状が例年よりも2ヶ月遅れた。この間、韓国の小学校の保護者会が、交流の継続実現のために話し合いを重ねていた。18年に亘る交流で培われた深い信頼関係によって今年も実現し、絆を絶やさないことを今一度心に刻んだ。